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T o u r O f W E R O A D episode38

T o u r O f W E R O A D episode38

▪️ Tour of  WEROAD   episode 38▪️

<完成記念式典>

寒さが募るこの冬、令和元年12月1日に、豊島区民センターにてウイ・ロード再生事業の完成記念式典が行われました。

高野区長はじめ豊島区役所職員の皆さま、今回の再生事業に尽力された区民の皆さまからお祝いの言葉や独自の視点でのエピソードなどが語られ、またTour of WEROADの記事を書いてきたminayuzawaも植田さんの活動を間近でみる者として思いを述べることができました。

式の半ばには関係者のインタビュー映像も流され、ウイ・ロード再生の大きなチャレンジであった公開制作を行うことになった秘話が関係者へのインタビューも交えて明かされました。

始まりは一冊の本でした。植田志保さんが装画を担当した若松英輔さんの『言葉の羅針盤』です。

半世紀以上前から子供や女性に敬遠され暗く汚いイメージが長らく定着していたウイ・ロードを、誰もが安心して通ることができる場所に変えていくには、最新のデザインでイメージを一新するだけでは困難でした。そこで当初豊島区は、ウイ・ロードの壁を真新しく変え、そこに女性に親しまれやすく人気のある植田さんの既存の絵をデジタル化して壁に飾れば女性に親しみやすい雰囲気になるのではと思案していました。

しかし実際に植田さんが現場のウイ・ロードに足を運び歩んだ時に感じていたのは、この場所だけが持つ唯一の独特な存在感や、陰陽混合の混沌とした歴史や人をすべてありのまま受け止めてきたことの圧倒的な美しさでした。そして植田さんがウイ・ロードの存在意義・唯一の美しさを最も忠実に表現するには、実際に人が往来するウイ・ロードに留まり、そこで感じたものを壁画を公開制作するという手法が最も適していると考えました。

公開制作は豊島区の道路整備課ほか関係者の方々にとっては前代未聞の提案ではあったものの、植田さんの切なる美への思いは受け止められ、高野区長へのプレゼンテーションを経て、この壮大な計画が現実となりました。

植田さんの描画の力はさることながら、豊島区役所の方々、酒井建設の皆さま、そして区民の皆さまや毎日ウイ・ロードを通る方々の御協力があり、この再生事業は完成したのでした。これだけ多くの人々の気が込められた公共の事業は類を見ず、担当していた豊島区役所の方々の目が輝いていたのがとても印象的でした。

* ウイ・ロード内部のイメージは、77mある全長が5区画に分けられている構造に着目し、古代中国に端を発する自然哲学思想である五行思想になぞらえて、各区画を「木」「火」「土」「金」「水」のセクションに振り分けています。五行説は、この5つの要素が相互に関係し、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環するという考えが基盤になっています。

−参照wikipedia五行思想より。

文 中村晃士 / minayuzawa