▪️ Tour of  WEROAD   episode 02▪️

 

三寒四温が始まったのか、陽の当たりや風の香りが少し変わってきました。冬の間にずっと縮こまって凝集していたエネルギーが少しずつ深呼吸を始めて空中に混ざってきているような、そんな気配を感じます。

豊島区から植田さんに最初に相談があったのは今から一年とちょっと前、一つ前の冬がちょうど東京に巡ってきたかなという頃でした。ウイ・ロード再生事業に関するお話を受けた植田さんは、そんな秋と冬の混ざり合う気候の中、早速現場に向かいました。ウイ・ロードは池袋駅にほぼ隣接した形で配置されている小さく細長いトンネルで、正式には「雑司が谷隧道」という名前を持っています(高さは2メートルほど、幅は3.5メートル程度、そして長さは77メートルもあります)。

 

 

目立たずひっそりと佇むウイ・ロードは、水が漏れたり劣化が目立つ部分があったりして一見くたびれています。しかし、内部にたくさんの人をひたすら交通させ続けるこの隧道に集中すると、植田さんはそこに今見える姿だけではない、時空を超えた本質的な価値を強烈に感じました。そしてこの隧道が持つ独特の、そこはかとなく漂う陰陽混合の気配や存在感などの本質を浮かび上がらせて歴史と未来をつなぐ再生事業を達成したいと強く思ったのです。それを至極の目標として突き詰めた結果、ウイ・ロードでの壁画制作という一つの方法にたどり着きました。

 

文 minayuzawa